Dozen Roses Box Bouquet

ダーズンローズの物語

「ダーズンローズ（Dozen Roses）」の起源には、明確に裏付けのある単一の歴史的記録は残っていませんが、伝承や花言葉・数の象徴に基づくいくつかのエピソードがあります。

まず、この花束の“12本”という数には、古来より「完全性」「周期」「まとまり」を表す意味が込められています。例えば一年12か月、時計の12時間、黄道12星座など、12という数字は多くの文化・宗教・哲学で“ひとつのサイクル”を象徴します。 このため、12本のバラを束ねて贈ることが「あなたへの想いを1年中・完全に向ける」「永く続く愛情」であるというメッセージとして受け取られたという説があります。 

また、ヴィクトリア朝時代（19世紀の英国）には「フラワー・ランゲージ（花言葉）」という風習が広まり、花の種類だけでなく本数や色によっても意味を伝える習慣がありました。 この時代に「12本のバラ＝真実の愛・完全な愛」という意味が定着し、恋人が12本のバラを贈り、受け取った側が1本を返すという儀式的な演出が”誓い”として語られるようになったとも言われています。さらに、ある愛の伝説によれば、ある男性が12か月毎に1本ずつバラを贈り続け、それを1度に12本として心を伝えた、という物語が語られ、それが現代のプロポーズや記念日のギフトとしての12本のバラの風習へとつながったというものもあります。

このように、ダーズンローズの起源は明確な史料があるわけではないものの、「12」という数字に込められた完全性・周期性、「バラ」という花の“愛・情熱”という象徴、そしてヴィクトリア朝時代の花言葉文化が重なって今日のスタイルが定着したと考えられています。この背景を知ると、12本のバラを贈る行為が「ただ豪華なギフト」ではなく、深い想いと伝統を伴った儀式的な意味を持つことが感じられます。